一戸建ての注文住宅の費用や相場:本体価格と建築費用の平均

家を建てるためには高額な費用が必要になるため、住宅ローンを組むケースが多く聞かれます。ローンを組んだあとは長年かけて返済していく必要があるため、余計な出費はかけたくないですよね?

詳細をよく把握しないまま多くの契約をしてしまうと、予定よりも多くの費用がかかってしまう可能性があります。理想の家を建てられたとしても、不要な金額のローンを利用していれば生活が厳しくなってしまうでしょう。

無理をせずに返済を続けられるような住宅ローンを利用して家を建てるには、さまざまなポイントがあります。ハウスメーカーと工務店の違い、費用の種類などを理解すれば、必要以上の費用をかけずにマイホームを手に入れることが可能です。

また、どんな費用が必要なのかあらかじめ知っておくと、安心して返済を続けられる予算を立てられます。その結果、理想のマイホームをスムーズに購入できるでしょう。この記事では、家を建てるときに必要な費用の違いと相場を紹介します。

>>失敗や後悔しない住宅会社の選び方

目次

1.土地の有無で大きく変わる!都道府県別の相場一覧

新しく家を建てる際、まず考慮すべき条件となるのが土地の有無です。

土地を購入する必要があるケースと所有している土地に家だけ建てるケースでは、かかる費用が変わってきます。

また、土地を取得するための費用は都道府県によって違いがあります。そのため、それぞれの価格相場などをよく比較しながら条件を決めていくことが重要です。

まずは、費用を割り振る際のポイントや都道府県別の価格相場を知っておきましょう。

1-1.何を重要視するかがポイント!土地購入の費用を決めるときに考えるべき点

家を建てる際の予算を考える際は、「何を重要視するか」がポイントです。土地代の割合が決まれば建物にかけられる予算も決まってきます。そのため、予算を考えるときにはマイホームに求める条件をはっきりさせておきましょう。

全体の予算が限られている場合、発生する費用をよく考えて立地などの条件を決めていかなければなりません。満足できるマイホームを建てるには、費用を比べながら調整をするとよいでしょう。

たとえば、建設を予定している県で土地代が高ければ隣県も検討する・立地を最優先するなら建物の費用を工夫するといった工夫が挙げられます。また、土地を探す際は特定の地域にこだわらずさまざまな土地の相場を調べることも大切です。同じ都道府県内でも都市部から少し離れた場所を選べば、土地代が抑えられる場合があります。

さらに考慮すべきなのが、生活を送りやすいかという点です。通勤や通学で利用する交通機関・子育てに適している施設など重要視すべき要素は家庭によって異なります。それぞれの家庭に合った条件に沿って決めていくことが重要です。

1-2.土地を購入して家を建てる場合の相場

土地と建物の両方を購入する場合の相場は、全国平均で約3,900万円と高額になりがちです。

都道府県別に見た場合、2016年度に調査された建設費相場の範囲には、秋田県の約2,900万円~東京都の約5,600万円と大きな差があります。

東京だけでなく、神奈川県・埼玉県・愛知県・大阪府などの都市部は建設費が高額になる傾向が見られます。神奈川県の建設費相場は約4,800万円、埼玉県では約4,200円万です。また、愛知県の場合は約4,500万円、大阪府では約4,300万円が相場といわれています。

1-3.家だけ建てる場合の相場

土地を購入せずに家だけを建てる場合の相場は、土地と建物の両方を取得するよりも費用が抑えられるケースが多いです。

2016年度に調査された際のデータでは、全国平均の建設費相場は約3,300万円です。

最も建設費相場が低いとされているのは島根県で約2,500万円です。一方、建設費相場が最も高い東京都で家を建てる場合は約3,900万円がかかります。家だけを建てる場合でも都市部での相場は高額になりがちです。

2.費用だけではない!「平屋」と「2階建て」を比較

家を建てる際に検討すべき項目は、土地代などの費用だけではありません。平屋と2階建てなど、建物の構造の違いによっても費用の金額に違いが発生します。

土地や予算が限られている場合は、建物の構造の違いで費用を調節するとよいでしょう。

一般的に、平屋建てのほうが2階建てよりも高額になりがちだといわれています。同じ大きさの住宅を建てる場合の相場は、平屋建てのほうが1.295倍高くなる計算です。

たとえば、2階建てで2,000万円の家を建てた場合、平屋建てでは2,590万円ほどの差があります。

しかし、建物の構造を決める際は費用だけで選んではいけません。平屋建てと2階建てでは、工事を行う面積などの特徴が異なるので、しっかりと把握してよく比較しながら選ぶのが重要です。

それぞれどんなメリット・デメリットを持っているのかを見ていきましょう。

2-1.平屋の方が高くなると言われる理由

2階建てよりも平屋のほうが高額になる理由は、敷地面積・屋根の大きさ・資材価格の3点です。

間取りが同じ平屋と2階建ての容量・延べ床面積はほぼ同じと考えられますが、敷地面積は異なります。敷地面積とは、実際に建物が建っている面積のことです。

平屋を建てる際は横に部屋をつなげていくので、広い敷地面積が必要になります。家の土台を作るための基礎工事にかかる費用も、高くなるのが理由のひとつです。

また、平屋にはすべての部屋の上にかかるように屋根を付けなければなりません。2階建てよりも大きな屋根を付ける必要があるので、工事費も高くなりがちです。

さらに、新しく家を建てる際は2階建てを選ぶ人が多いといわれています。そのため、ハウスメーカーでは2階建て用の資材を大量に用意している場合が多く、建築費用が抑えられているケースが多いのです。

あらかじめ用意されていない平屋用の資材は割高であるため資材価格も高く、結果的に建築費用も高額になってしまいます。

2-2.2階建ての方が高くなると言われる理由

一般的に、2階建てよりも平屋の費用のほうが高くなるといわれています。

しかし、場合によっては2階建てのほうが高額になるケースもあるのでよく確認が必要です。

2階建てのほうが高くなるといわれる理由には、間取りの違いなどに伴う費用の差が挙げられます。2階建ての場合、平屋では使用しない階段や付随するスペースが必要です。階段を設置する際には、基本的な工事費のほかに特別な費用がかかります。

また、2階建てでは利便性を高めるために1階と2階の両方にトイレを設置するケースが多く見られます。平屋ではトイレが1箇所でもあまり不便を感じません。トイレを1箇所多く設ける2階建ての場合では、その分だけ工事費が高くなります。

さらに、2階建ての家は平屋よりも壁の面積が広いのが特徴です。壁面積が広いと、外装のメンテナンスを行う際の費用が高くなります。2階部分の塗り替えを行うには足場を組む必要があるためです。

壁面積が広いと工期も長くなり、その分の人件費も発生します。

2-3.費用だけではなくメリット・デメリットも考える

平屋のメリットは、将来的なメンテナンス費用が安く済む・バリアフリー工事が不要である点です。メンテナンスの際に足場などを組む必要がなく、工期も最低限で済みます。

階段など、将来的にバリアフリー工事を行わなければならない大きな段差もありません。移動が楽である点が最大の特徴です。

平屋を建てるデメリットには、狭い土地には適していない・洗濯物を1階に干さなければならない点が挙げられます。

部屋を横に広げる平屋では、広大な敷地面積が必要です。洗濯物も外部から立ち入りやすい1階に干さなければならないので、防犯面はあまり優れていません。

一方、2階建てのメリットとしては、プライバシーが保護される・狭い土地でも建てられるという点があります。洗濯物も家族以外が立ち入れないベランダなどに干せるので、防犯面でも安心です。

部屋を積み重ねた構造であるため、敷地面積が小さくてもしっかりと建てられます。

2階建てのデメリットは、家の中で1階と2階で家族の生活が分断される点です。それぞれの部屋を1階と2階でばらばらに設けてしまうと、家族の接点がなくなる可能性があります。

掃除をする際も、掃除機などを持ち運んで階段を昇り降りしなければならないので不便です。

建物の構造を決めるときは、費用だけでなく生活を送るうえでのメリット・デメリットも考える必要があります。

利便性や防犯性など決め手となるような要素も含まれているので、細かな違いも調べて、しっかりと考えてから決めましょう。

3.坪単価の計算方法を理解しておこう

家を建てるときの重要なポイントとなるのが「坪単価」です。ハウスメーカーなどの広告でも記載されている場合が多いので、適切な判断をするには「坪単価」の計算方法を正しく理解しておく必要があります。

坪単価とは1坪あたりの建築費用を指し、家を建てるときにかかる費用の目安として用いられている数字です。

坪単価は「本体価格÷床面積」で求められます。

たとえば、本体価格が2,000万円で床面積が50坪の場合、坪単価は40万円となる計算です。

一見わかりやすい数字のように思えますが、計算の方法や含まれている費用の違いによって実際の金額は異なります。そのため、多くの情報を比べる前にさまざまな違いを知っておくのが大切です。

坪単価の計算式に使用する数字の中でも、床面積を見る際には特に注意しなければなりません。

床面積には、「延床面積」と「施工床面積」の2種類が存在するためです。

延床面積は、各階の床面積を合計した面積を指します。建築基準法で定められている、実際に人が居住するような部屋の床が対象です。

一方、施工床面積には延床面積に含まれない玄関ポーチ・小屋裏収納・車庫なども該当します。

どちらの数字を使用するかによって、坪単価は大きく変わります。床面積の詳細を確認せずにあいまいなまま契約を進めてしまうと、予算がオーバーして支払いが苦しくなったり、計画を練り直さなければならなかったりするかもしれません。

坪単価を見て判断する際は、しっかり理解ができるようにしておきましょう。

4.本体価格以外の費用を理解しておこう

家を建てるには、建物の本体以外にも多くの費用が発生します。

たとえば、庭の整備・エアコンの設置・水道を引き込む際にかかる費用などです。

それらの費用はまとめて諸費用と呼ばれています。

諸費用を考えずに資金計画を立ててしまうと、実際にかかる金額は予算を上回ってしまうので支払いが厳しくなってしまう可能性があります。

予算や物件を決めるときは、本体価格や坪単価だけでなく諸費用についてもしっかりと理解しておかなければなりません。

4-1.付帯工事費

新居で生活できるようにする工事に関係する諸費用は、まとめて付帯工事費と呼ばれています。

付帯工事費に含まれる費用の種類は、およそ10項目です。

付帯工事費の内訳は、「工事中の作業に関係する費用」と、「新居で生活できるように整備するための費用」の2種類に分けられます。

工事中の作業に関係する費用とは、仮設の水道・電気・トイレを使用するための費用です。

一方、整備を行う際にかかる費用には、水道・電気・ガス・エアコン設置などが挙げられます。

多くの付帯工事費の費用は目安となる相場がありますが、電気工事費は建物の規模や条件によって大きく異なります。また、エアコン設置費も製品の価格や工事の複雑さによって違いがあるので、どんな工事が必要になるのかよく調べるようにしましょう。

4-2.外構工事費

外構工事費は、建物の外を工事するときにかかる費用です。

門柱・カーポート・玄関アプローチなど人目に触れやすい箇所はもちろん、庭の砂利敷き・コンクリート舗装といったこだわりを持たせる場合も外構工事費に含まれます。

外構工事費の特徴は、設置するアイテムの質や価格に影響を受けやすいという点です。

工事を行う箇所も増えれば、その分だけ費用も高くなります。そのため、実際にかかる外構工事費の金額は家庭によってさまざまです。

たとえば、風が強かったり雪が多く降ったりする地域では、車を保護するためにカーポートや車庫を設置しなければならないでしょう。快適な生活を送るためには、どんな工事が必要になるのか考慮しながら決めるのが大切です。

4-3.建築確認申請費

新築時に建築基準法に定められている項目をクリアしているか、第三者機関に確認してもらう際にかかる費用が建築確認申請費です。

確認と同時に審査が行われ、建築基準法に沿った計画と判断された場合は確認済証の交付を受けます。

確認済証の交付が受けられなければ、家を建設する工事に取りかかれません。そのため、建築確認申請は非常に重要な手続きと言えます。手続きの方法は定められているので、役所や検査機関の指示に従って進めましょう。

一般的に、建築確認申請費の相場は30万円~40万円程度といわれています。

4-4.金融機関融資手数料

住宅ローンを組むときにかかる金融機関融資手数料も、諸費用のひとつに含まれます。銀行やフラット35を利用した場合など、ほとんどの金融機関で住宅ローンを組む際にかかる費用です。

振込希望額から融資手数料を引いた金額が、実際に自分の口座へ振り込まれます。

金融機関融資手数料の特徴は、金融機関によって金額が異なる点です。一般的に融資手数料の相場は3万円~5万円といわれていますが、手数料がかからない金融機関も存在します。

金融機関融資手数料の金額は利用額や金融機関で異なるので、事前によく確認しておくとよいでしょう。

4-5.ローン保証料・つなぎ融資手数料

ローン保証料やつなぎ融資手数料は、住宅ローンを利用する際にかかる場合がある費用です。費用が発生する条件は、住宅ローンの契約内容で異なります。

ローン保証料は、住宅ローンを組むときに保証会社へ支払う費用です。

連帯保証人を立てるのではなく、保証会社に保証してもらう場合に該当します。住宅ローンの利用条件のひとつとして、保証会社の保証を受けられる対象者であるという点が記載されているケースがほとんどです。

支払い方法は、契約時に一括で支払う方法と、金利に上乗せして支払う方法の2種類です。ローン保証料の相場は、借入額の2%~3%といわれています。

建物引き渡し時に融資が実行されるタイプの住宅ローンを利用する際にかかる費用が、つなぎ融資手数料です。

工事期間中は、金融機関から一時的に資金を借りる状態になります。そのときに受ける融資が「つなぎ融資」です。

つなぎ融資手数料には、つなぎ融資を受けている際に発生する金利や印紙代が含まれます。費用の詳細は融資額や金融機関によってさまざまです。

4-6.印紙代

建物・土地を契約するときには、契約金額によって決められた額の印紙を貼る必要があります。

買主負担となるため、その際の印紙代も覚えておくべき諸費用です。

印紙代の金額は、契約金額によって異なります。不足のないように貼らなければならないので、契約金額に対する印紙代の金額は、事前によく確認しておきましょう。

契約金額が500万~1千万円の場合の印紙代は、5千円です。

契約金額が1千万~5千万円の場合は1万円、契約金額が5千万~1億円である場合には3万円の印紙代がかかります。

印紙代は、契約時に現金で支払わなければなりません。クレジットカードや口座への振り込みなど、現金以外の支払い方法では印紙と交換ができないので注意しましょう。

4-7.火災保険料

住宅ローンを組むときには、火災保険に加入することが義務付けられています。

火災保険料の詳細な金額は、保険の対象となる建物の構造・所在地・保健機関で異なります。

たとえば、2千万円ほどの木造住宅を建てた場合では、保証期間は20年間で25万円程度です。

住宅ローンに加入するために義務付けられている保証内容には、最低限の加入期間が定められています。初年度に支払う保険料だけでなく、合計の金額も考慮しながらローンの種類や利用額を決めるとよいでしょう。

4-8.各種登記費用

建物・土地を購入し、所有者として公的に認めてもらうための手続きを登記といいます。

新築時に必要な登記は、建物表題登記・所有権移転登記・所有権保存登記・抵当権設定登記の4種類です。

建物表題登記は、建物の所在地・家屋番号・所有者の情報を登録する手続きです。建物の構造や床面積も同時に登録します。建物表題登記を行わないと、10万円以下の過料が課せられる場合があるので忘れないようにしましょう。

所有権移転登記は、土地の所有権を移すための手続きを指します。所有権保存登記は、義務付けられている手続きではありません。

しかし、土地や建物の所有者を公的に認めてもらうための手続きであるため、行っておくほうがよいでしょう。

所有者が公的に認められていないと、土地や建物を売却・相続できません。

抵当権設定登記は、住宅ローンを利用する場合に行う登記です。万が一住宅ローンを支払えなくなったときに備え、土地と建物を担保に入れて、約束する効力があります。

抵当権設定登記を行うには、自分で行う方法と司法書士に代理で依頼する方法の2種類です。自分で手続きを行った場合の費用は18万円程度といわれています。

しかし、手続きには多くの手間や専門的な知識が必要になるため、司法書士に依頼するケースがほとんどです。

司法書士に手続きを依頼した場合の合計費用は、30万~50万円程度といわれています。

住宅ローンが支払えなくなってしまったときは抵当権が行使され、土地と建物の所有権は金融機関のものになる仕組みです。

5.ハウスメーカーと工務店の違いを知っておこう

家を建てる際は、ハウスメーカーや工務店などに依頼しなければなりません。

後悔のないように家を建てるには、違いをしっかりと把握しておくことが大切です。ハウスメーカーと工務店のメリット・デメリットを紹介します。

5-1.ハウスメーカーのメリット

ハウスメーカーは、営業地点や展示場が多くの箇所に存在し、全国的に展開している会社や企業を指します。

どこでも同じクオリティで家が建てられるような仕組みが出来上がっているため、工期が短いのが特徴です。

一般的に、延べ床面積が35坪程度の住宅の場合、ハウスメーカーであれば約3.5カ月で家を建てられます。工事を効率よく進めるために、あらかじめ間取りや外観が決められている場合が多いです。

ハウスメーカーでオリジナルの製品を持っている会社や企業もあるため、資材の品質が良いといわれています。

建物の構造などを規格化して、その規格に沿って家を建てる仕組みです。

販売されている家の間取りや外観は住宅展示場やモデルハウスで見ることができます。そのため、実際に住むときのイメージを想像しやすく、想定外のトラブルが起こりにくいのもメリットです。

また、建物は長年住み続けていくとメンテナンスが必要になってきます。ハウスメーカーで購入した建物は、アフターメンテナンスについてきちんと定められているので安心です。

5-2.ハウスメーカーのデメリット

ハウスメーカーのデメリットとしては、実際の仕上がりがわかりにくい点と、高い費用がかかる可能性がある点が挙げられます。

「同じクオリティで家が建てられるような仕組み」を導入しているのはメリットですが、同時にデメリットにもなるのです。

家を建てる契約や手続きを行うのはハウスメーカーが相手ですが、実際に工事をするのは下請けの工務店です。建物の構造などの規格が決められているとしても、結果的には工務店の腕次第で仕上がりが決まります。

ハウスメーカーに依頼されている工務店は非常に多いので、品質もさまざまです。タイミングが悪ければ相性の合わない工務店に工事を任せることになってしまう可能性があります。

また、ハウスメーカーで家を建てる際は、ある程度決まったもののなかからプランや商品を選んで家を作り上げていくケースがほとんどです。

そのため、細かな要望を聞き入れてもらえない場合があります。

さらに、広告を大々的に売っているような大規模のハウスメーカーに依頼すれば、広告費の分だけ費用が高くなってしまうでしょう。

5-3.工務店のメリット

工務店は、戸建住宅を請け負う建築業者のなかでも、小規模で地域密着型の業者を指します。

工事全体の監督や職人の手配・管理が主な業務です。

家を工務店で建てるメリットとしては、以下の点が挙げられます。

  • 細かな要望が聞き入れてもらいやすい
  • 住宅ローンが利用しやすい
  • 費用が抑えられる

規格などが設けられていないので、自由に構造を決めることが可能です。

また、建築を依頼した工務店が直接工事を行っているため、現場まで声が通りやすいといわれています。

工務店の多くは地元に密着した営業を行っているので、評判は取引する銀行にもよく知られています。地元で長く続いている工務店は信用があるため、住宅ローンが通りやすくなるのです。

さらに、大規模な広告費をかけていない分だけハウスメーカーよりも全体的な費用を安く抑えられる傾向があります。

できるだけ費用を抑えて家を建てたい場合や、建物本体の工事費に費用を割きたい場合に適しているでしょう。

5-4.工務店のデメリット

工務店のデメリットには、以下の点があります。

  • 下調べに時間がかかる
  • 品質が統一されていない
  • 工期が長い

家を建てる際の工程が、マニュアル化されていないのが理由です。

まず、工務店の実態を知るためには、ホームページを調べたり、見学会や内覧会に積極的に参加したりするなどの細かい下調べが必要です。

複数の業者を比べる場合は、その都度多くの項目を比較しなければなりません。

規格化された資材を大量に確保するハウスメーカーと異なり、工務店は独自で資材を仕入れています。「格安」を売りにしている工務店では、あまり質の良くない資材を使用している可能性もあるので注意が必要です。

さらに、すべてを最初から現場で作り上げていくので、ハウスメーカーよりも工期が長くなるケースが多く見られます。

一般的に、工務店で家を建てた場合の工期は約4カ月~4.5カ月です。

家を建てたあとのメンテナンス体制が、業者によって異なる点もデメリットです。タイミングが悪いと修理を依頼してもすぐに対応してもらえないという場合もあります。

6.年収から見る安心して返済できる予算の決め方

家を建てるときの予算を決めるには、年収をベースにして考えると無理のない範囲に抑えられるといわれています。

年収に占める返済負担率は、25%以内が一般的です。

年収に25%をかけ、12で割ると月々の返済額を求めることが可能です。ボーナスは加算せず、金利1.2%の35年返済として計算します。

その結果、年収400万円であれば毎月の返済額は約8.3万円、年収600万円では約12.5万円と求められます。

また、年収800万円の場合では約16.7万円、年収1千万円の場合は約20.8万円になる計算です。

合計借入額で考えると、年収400万円のときは2,845万円、年収600万円のときは4,285万円まで借りられます。年収800万円では5,725万円、年収1千万円の場合では7,130万円です。

住宅ローンの返済は毎月行わなければならないので、生活を送るうえで大きな負担になりがちです。

しかし、実際に返済可能な金額は家庭によって異なります。家族の人数やライフスタイルによって、予算にかけられる金額は異なるためです。

返済が可能であれば、返済負担率を25%以上に設定してローンを利用することもできます。それぞれの家計に適した返済額に抑えるのが最も大切なポイントです。

7.費用を抑えるためにできることと注意点

自分の希望通りの家を建てたいとこだわりを多く持たせると、予算を超えてしまいがちです。

予算をオーバーしてしまう場合は、どこかの費用を抑えなければなりません。

コストをかけるべきところと、そうではないところを具体的に把握すると費用を抑えられます。失敗を防ぐためにも、費用を割り振る段階でしっかりと検討するのが大切です。

実際にどの部分にコストをかければよいのか、また費用を抑えるにはどんな工夫をすればよいのかを見ていきましょう。

7-1.自分で手を加えられないところはコストをかけるべき

「家を建てたあとに工事ができない部分」や「大がかりな工事になる部分」は、コストカットの対象から外したほうがよいでしょう。

自分で手軽に手を加えられず、変更ができにくいためです。

たとえば、耐震性・断熱性・気密性など、建物の構造に深く関わる部分が挙げられます。これらの要素は快適性や安全性にも関わっているので、住み心地に大きく影響します。

また、外壁や床材も最初にコストをかけるべき箇所です。

費用対策に固執して安価なものを選ぶと劣化が早くなり、メンテナンス費用が余計にかかってしまうでしょう。

外壁や床の面積が広いと、あとから工事を行う場合に高額な費用がかかってしまう場合もあります。特に、2階建てであれば工事の際に足場を組まなければならないので、その分だけ費用も高くなりがちです。

さらに、自分がこれだけは譲れないと思うものに対してもコストを抑えるべきではありません。

対象となるのは、屋外にあって人目に触れやすいものから室内にあるものまでさまざまです。

7-2.DIYできるところは自分でやる

コストにメリハリをつけるには、自分の手で工夫を行うのも重要です。取り組みやすい工夫のひとつにDIYが挙げられます。

DIYでは資材の調達や組み立てを自分で行うので、費用を抑えることが可能です。

あとから工事をしても費用が割高にならない部分は、必要になったときに改めて依頼する方法が適しています。

具体的なDIYには、造園・カーポートに屋根を付けるといった、普段の生活に直接影響を与えない内容が該当します。造園のように、自分の好みに合わせてあとから変更しやすいのもDIYのメリットです。

また、エアコンや照明は自分で手配したほうが安く済む場合もあります。

しかし、無計画なまま設置を進めてしまうとトラブルの原因になってしまうため、あらかじめ設置場所を決めて配線工事は行っておきましょう。

浴室乾燥機や食器洗浄機など、今までなくても困らなかった設備の導入も、自分で行うと費用を抑えられます。

必要に応じて徐々に買い揃えていくのもよいでしょう。

8.予算オーバーした時に考えるべき4つの手段

コストをかけるべき箇所を絞って費用を抑えたつもりでも、予算がオーバーしてしまう場合もあります。

こだわった住宅にしたいときに起こりがちなトラブルです。

「妥協して家を建てたくない」と、そのまま工事を進めてしまう人もいるでしょう。

しかし、予算を超えてしまうと毎月の返済額が高くなり、生活が厳しくなってしまう可能性があります。

そのようなときは、工事の発注方法や住宅ローンの種類など、根本的な部分を見直すのが適切です。予算オーバーしてしまったときに考えるべき手段を4つ紹介します。

8-1.1:分離発注

通常、家を建てるときに必要な工事はまとめて建設会社に依頼します。

工事の手配をすべて任せられるので楽な反面、実際に工事を行う業者や工務店の間に建設会社が入るのでマージンを支払わなければなりません。

いくつかの工事を自分で手配する分離発注を行えば、マージンの分だけ節約できて費用を抑えられます。

分離発注しやすい工事は、エアコンなど家電の設置です。

自分で費用をコントロールできる分離発注ですが、注意すべき点があります。日程の調整も自分で行わなければならない点と不具合時のトラブルです。

建設会社の工事が予定よりも遅れてしまった場合、分離発注した工事に関しては自分で日程を調整しなければなりません。

複数の工事を手配していれば、それぞれの工事内容や日程を管理する必要があります。

また、分離発注では、工事の内容によって建設会社とは関わりのない地元の業者などに依頼する場合もあるでしょう。

複数の業者が工事を行う状況になると、不具合が起こった際に責任の所在があいまいになりがちなので注意しなければなりません。

8-2.2:確実な見積の変更と確認

せっかくコストを削減する工夫を行っても、それが金額としてきちんと反映されていなければ意味がありません。

工夫が金額に反映されているか確認するには、見積をしっかりとチェックしましょう。

たとえば、工事の費用として3万円の削減を行ったと思っていても、建築会社に1万円の利益を取られてしまい、実際に削減できたのは2万円というケースがあります。

商品となる資材の仕入れ値は、建設会社によってさまざまです。

工事を依頼する施主に仕入れ値はわからないため、建設会社は利益を乗せた金額で見積もる場合があります。複数の項目に渡って利益が上乗せされていれば、節約できる金額は少なくなってしまうでしょう。

このような仕組みになっていることにより、費用を効率よく抑えられずにトラブルが発生してしまう場合があります。

トラブルを防ぐには、自分だけで計算して納得せずに、建設会社側から提出される見積を見て費用をコントロールするのがポイントです。

8-3.3:住宅ローン選び

費用を抑えるという点に着目すると、土地や建物の費用を抑えることばかりを意識しがちです。

しかし、費用のなかでも住宅ローンの支払額は大きな負担を占めています。

住宅ローンの種類は、金融機関によって返済方法や金利に多くの違いがあります。そのため、住宅ローン選びを慎重に行えば安い金利でローンを組むことが可能です。

ローンの特徴を調べるには、それぞれの金融機関に問い合わせるのもよいですが、時間や手間がかかってしまうでしょう。長所や短所もばらばらなので、判断基準もわかりません。

自分に合った種類の住宅ローンを選ぶための情報がまとめられているサイトを活用すれば、判断基準を決めながら特徴を比較できます。

家を建てるときや住宅ローンを組むときに役立つ情報が掲載されているサイトが、「住宅ローン比較館」です。

住宅ローン比較館では、住宅ローンの基礎知識をはじめ、審査や借り換えについても詳しく知ることができます。施主が自営業である場合の影響や、年収との関係性などそれぞれの家庭状況に合わせて解説がされているのも魅力です。

また、住宅ローン比較館の特徴は、ファイナンシャルプランナーが監修している点です。あやふやになりがちな、税金・保険・法律についてもしっかりと学べます。

8-4.4:建築会社の変更

コストを抑えるために多くの工夫を行っても、費用が抑えられず、見積金額がなかなか減らないケースがあります。

これ以上工夫できる箇所がないと思ってしまったときは、あきらめて妥協してしまいがちです。

しかし、思い切って建築会社を変更すると、予算を大きく下げられる場合があります。基本的な価格設定や工事費用は、建設会社によって異なるためです。

建築会社の利益となるマージンの比率も会社によって違いがあります。

費用をできるだけ抑えるには、価格が低く、マージンの比率が少ないと予想される会社が適切です。

また、建築会社を変更すると、分離発注など費用を抑えるための工夫の効果も出やすくなる可能性があります。最初はそのままの状態で見積を取って判断し、あとから費用を削減するための工夫を取り入れる方法が効果的です。

建築会社は最初に決める場合が多く、費用を見直す段階に入ったときには契約する建築会社のコスト基準に合わせて再検討をしてしまいがちです。

コストを削減できる箇所が見つけられない場合は、建築会社自体の変更を検討してみるとよいでしょう。

まとめ:必要な費用を理解して理想のマイホームを建てよう

家を建てるときには、多くの項目を比較しながら決めなければなりません。それぞれの違いをよく把握し、慎重に選べば理想のマイホームを建てられます。

建築会社や業者選びは、家の仕上がりを左右する最も大切な要素です。

安定した品質を求めるのであればハウスメーカー、細かな要望を取り入れてほしい場合は工務店が適しています。

また、費用をかけるべき箇所と抑えられる箇所の違い、それぞれの価格相場を把握して予算を組むのも重要です。土地や建物といった基本的な要素はもちろん、工事費用や住宅ローンの金利など工夫できる箇所は多く存在します。

記事を読んで知識をつけ、家を建てる費用・相場を理解するのは非常に大切な要素になります。

しかし、さらに大切なのは実際に得られた知識を活かして安心して返済を続けられるような予算決めを行うことです。

毎月の返済額に直接影響する住宅ローン選びは特に注意すべき項目です。計画段階から費用の目安を立ててしっかりと検討し、満足できるような家を建てましょう。

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