図解で分かる!建ぺい率から計算して求める容積率とは

「容積率(ようせきりつ)」は「建ぺい率」とともに、住宅販売の不動産広告によく出てくる言葉です。

しかしながら、「容積率とは?」と投げかけたとき、多くの方は概要を把握している程度の知識しか持ち合わせていません。

容積率を分かりやすくたとえるのであれば、「土地に対してどれだけの大きさの建築物を建てることができるのか」を表した割合です。これは、土地ごとに法的に定められています。

基本的に容積率の割合が大きいほど、広い面積の家を建てることができます。

ただ、容積率は建築基準法はもちろんのこと、都市計画法といった法律が相互に関係しているため、容積率だけで建物の大きさや広さが決まるわけではありません。

また、容積率には、都市計画に基づいた「指定容積率」と、建築基準法や前面道路の幅による「基準容積率」があります。

このように、容積率は複数の法律や決まり事にまたがっているため、建築・不動産の素人には分かりにくい仕組みとなっています。

そこで、このページでは少し難しい「容積率」について重要な3つの事項に絞り、説明をさせていただきます。図や表を使って解説していくため、全くの素人であっても、このページを読み終えるころには容積率に関する知識全般を身に着けることができます。

1.容積率とは

容積率について解説していく前に、基本中の基本からおさらいをしていきます。順を追って解説していくことで、理解が深まります。

1-1.容積率と建ぺい率の違いをイメージする

まず、「容積(ようせき)」の意味を思い出してください。国語辞典をひくと、以下のように解説されています。

「容積(ようせき:立体によって占められる空間の大きさ・体積)」

出典:国語辞典

すごく簡単な算数のおさらいです。「体積(容積)の求め方」は小学校5年生の算数の授業で習いましたね。算数の教科書の中に、以下のような絵があったはずです。

建築物の考え方

容積を求める公式は、小学生の時に「たて × よこ × 高さ」と習いました。

このように、容積(体積)とは「高さ方向」の寸法も含めた、立体(空間)を表すものです。

たとえば、宅配便であっても立体の寸法で料金が変わります。建築物も立体物であるため、「坪」や「平米(㎡)」といった平面だけではなく、高さ方向も含めた「容積」について法的に制限を加えているのです。

もし、容積(立体物)に対する制限がなく、坪数などの平面の面積で住宅を建てることができてしまった場合、家はどんな高さでも広さでも可能になってしまいます。

たとえば、建築基準法で容積率が定められていなければ、あなたの土地に高層ビルを建築することができてしまいます。そうなると、街は統一感のない無秩序な状態になってしまいます。

そこで、たて(高さ)方向にかけられた法的制限のひとつが容積率なのです。

容積率の高さ

つまり、家=住宅はもちろんのこと、その他の建築物で使われる「容積率」とは、高さ方向も含めた空間に占める割合(率)を%で表したものです。

坪などの「平面積」の考え方については、「ハウスメーカーが提示する坪単価があてにならない31の理由」のページで解説しているため、参照しましょう。

一方、容積率と並行して出てくる言葉の建ぺい率を難しい漢字で書くと、「建蔽率」と書きます。この、蔽(ぺい)の字は「覆い隠す」、という意味です。

建ぺい率については、「建ぺい率とは:ポイントや注意点を完全に理解できる3つの項目」で分かりやすく説明しているため、必ず目を通しておきましょう。

建ぺい率のページで紹介したように、建ぺい率は建物を持ちあげた時の影の部分です。つまり、建ぺい率とは、覆い隠された影=「蔽(ぺい)」の面積の割合です。

建ぺい率のイメージ

このように、建築物には、建ぺい率(平面に対する制限)と、容積率(高さ方向に展開する立体、空間、広さ)に対して制限がかかることを確認してください。

このとき、法的な言葉の容積率は「容積」という体積を表す表現が使われています。その印象から、「空間の容量」と解釈してしまい、しばしば混乱・混同する人もいます。

しかし、実は容積率には、家の高さや天井の高さなど、たて(高さ)方向の実寸法は勘案されていません。

そのため、容積率は、立方メートル(立米:りゅうべい=㎥)で表される「容量」ではないことに注意してください。

1-2.容積率は敷地に対する床面積の割合

容積率(ようせきりつ)とは、下の図のように、敷地面積(土地の面積)に対する延べ床面積(建築延べ面積)の割合のことです。

容積率のイメージ

たとえば、敷地面積が100㎡に対する容積率が200%の場合、1階が100㎡、2階が100㎡、合計200㎡の延べ床の家が建つことになります。

ただし、後述しますが、地階(地下室)や、ビルトインガレージ(車庫を住宅に組み込んだもの)などは、延べ床面積から除外され容積率に算入されません。

さらに、容積率に対する、さまざまな緩和措置もあるので最後まで読んでください。

1-3. 延べ床面積とは

延べ床面積とは、建築基準法で規定された「各階の床の面積を合計したもの」です。

下図のように、2階建ての住宅の場合、1階と2階の床面積の合計が延べ床面積となります。

延べ床面積のイメージ

詳しくは、「 建物の大きさを決める容積率に密接に関係する延べ床面積とは」のページで細かく解説しているので、こちらを確認しておきましょう。

1-4.容積率の計算方法

前述の通り、容積率とは敷地面積に対する延べ床面積の割合(%)です。

容積率は、以下の数式で割り出します。

容積率の計算

しかし、容積率には「指定容積率」と「基準容積率」と呼ばれるものがあり、用途や地域、そして道路の幅などの条件で変わってきます。

この2つの容積率について、次項で詳しく述べます。

1-4-1.容積率には「指定容積率」と「基準容積率」がある

前述のとおり、容積率には「指定容積率(していようせきりつ:都市計画で定める容積率)」と「基準容積率(きじゅんようせきりつ:建築基準法で定められた前面道路の幅員による容積率)」の2種類があります。

指定容積率とは都市計画で指定された容積率であり、用途地域ごとに、50%~1300%の範囲で制限されています。つまり、指定容積率は、「容積率の上限を定めるもの」です。基本的に「指定容積率」を上回る延べ床面積の建物を建てることはできません。

一方、「基準容積率」とは、建築基準法で規定された容積率のことをいいます。建築基準法(第52条2項) で定められた、前面道路の幅が12m未満の場合に、用途地域によって算出される割合が「基準容積率」です。

この2つの容積率のうち、比率が低い方が「容積率の上限」となり、これが該当する敷地に建てられる実際の延べ床面積となります。

指定容積率と基準容積率の関係は、以下のようになります。

指定容積率と基準容積率の関係

このように、①と②を比べて、比率が低い方を家の「容積率」として適用されます。

つまり、容積率の考え方は、以下のようになります。

  • 指定容積率より基準容積率の比率が高い場合は、指定容積率が適用される。
  • 指定容積率より基準容積率の比率が低い場合は、基準容積率が適用される。

このように、指定容積率と基準容積率を比較して、より条件が厳しい方が適用されます。

ここで述べたように、都市計画法で決められた用途地域と、建築基準法に規定された道路の幅などは密接に連動し、条件が違ってきます。

容積率は、敷地、エリアなどの条件と法律で大きく変わることを覚えておいてください。

1-4-2.容積率の計算例

都市計画で、どれくらいの広さの面積の建物が建てられるかは、以下の掛け算で割り出します。

・敷地面積 × 容積率

たとえば、100㎡の面積の敷地(土地)を所有していた場合、容積率が200%の用途地域では、最大で以下の面積の家を建てることができます。

・100㎡(敷地面積) × 200%(容積率)=200㎡

この場合、最大で延べ床面積200㎡の家を建てることができます。容積率が高いほど、広い床面積の家を建てられるということです。

ただし、逆に言えば200㎡を超える面積の家は絶対に建てられません。

1-4-3. 建ぺい率とのバランスに注意

ここで気を付けたいのは、建ぺい率と容積率のバランスです。

たとえば、建売住宅の広告などでよく見かける表記は、「建ぺい率50%、容積率100%」というものが多いです。

この場合、一般的に1階と2階の面積の比率を、ほぼ同じ面積の「総2階建て」にできるため、コストや広さが合理的な家になります。

後述しますが、同じ建ぺい率の条件でも、容積率が80%、60%……、と低くなると、2階が小さい家となってしまいます。

このように、住宅の場合の容積率は建ぺい率の約2倍という比率が、一般的にスタンダードとされていることを覚えておいてください。

2.条件によって異なる容積率

街並み

2-1.用途地域ごとに異なる容積率

ここまで読んで説明してきた内容で、容積率とは敷地に対して、建てられる家の延べ床面積の割合であることは分かったと思います。

ただし、「用途地域」などの条件によって容積率は変わります。

用途地域とは、都市計画法で定められた地域の区分のことを指します。都市の環境を保ったり、生活の便利さを考えたりして、その地域の建物の「用途」に制限を行う地域のことです。

用途地域は、建築用途(けんちくようと=建物の使い方)が混ざらないようにするための制限です。

たとえば、住居や商業、工業、といった街の特性に対して、土地の使い方、建物の構造などについて規制が加えられます。この「用途」で区分された「地域」によって、指定容積率が変わってきます。

下表のように、用途地域では建物の用途別の大きなフレームで、土地の利用法を定めています。

用途地域指定容積率
(表のいずれかで、
都市計画により定められる数値)
前面道路による制限
(幅員が12m未満の場合)
どちらか低いほうが数値が適用される
第1種低層住居専用地域
第2種低層住居専用地域
50%、60%、80%、
100%、150%、200%
前面道路の幅員(m)×0.4
第1種中高層住居専用地域
第2種中高層住居専用地域
第1種住居地域
第2種住居地域
準住居地域
100%、150%、200%、
300%、400%、500%
前面道路の幅員(m)×0.4
近隣商業地域
準工業地域
前面道路の幅員(m)×0.6
(指定区域は0.4または0.8
商業地域200%、300%、400%、
500%、600%、700%、
800%、900%、1,000%、
1,100%、1,200%、1,300%
工業地域
工業専用地域
100%、150%、200%、
300%、400%
用途地域の指定のない区域50%、80%、100%、
200%、300%、400%
(特定行政庁が都市計画審議会の議を経て定める)

小さな住宅しか建てられない「第一種低層住居専用地域」から「工業専用地域」まで12の用途に分類されています。

上の表を一見すると、たとえば一番上の「第1種低層住居専用地域」は、住居だけの静かな住宅地を想像するかもしれません。

しかし、この地域では住居以外の、コンビニエンスストアなどの「小規模店舗」、そして「病院」、「学校」は建てられません。そのため、生活の利便性を考えた場合、不便なエリアである場合もあるので注意が必要です。

一方、「第2種低層住居専用地域」の場合、小規模店舗の出店が可能になります。さらに、下の「第2種住居地域」になると、大型スーパーの出店もできるなど、表の下に行くほど「用途」の制限は緩くなっていきます。

ただ、「商業地域」は風紀があまり良くない歓楽街であることがあります。また、「工業地域」に住宅を建てることは不可能ではないものの、空気や騒音などの環境を考えると、「住まい」には不向きです。

たとえば、私(当サイト代表・與五澤:よごさわ)の知り合いの30代の女性が、「駅に近い方がいい」という理由で、郊外の駅前の土地を購入して家を建ました。しばらくは買い物も便利で、都心へのアクセスも良い暮らしを満喫していました。

しかし、数年後にお邪魔すると、家の前の駐車場だった空き地にパチンコ屋ができてしまいました。「夜、遅くまでパチンコ屋のネオンがまぶしいし、来客者の喧噪もうるさくて、引っ越したい」と嘆いていました。

これは、その土地の用途が「商業地域」であったため、起こった不幸といえます。

このようなリスクを防ぐために、そのエリアの「用途地域」の確認は、住環境という視点からも重要です。

この女性の話は極端に感じるかもしれませんが、実はよくあることです。そのため、「便利さも、ほどほどに」くらいのスタンスが、住宅選びでは重要です。

一般には、「第一種中高層住居専用地域」くらいが、病院が建てられたり大型店舗も出店できたりするため、居住に向いているエリアと言われています。

2-1-1.2つ以上の用途地域に敷地がまたがる場合

一戸建て住宅(長屋、2戸の共同住宅を含む)であれば、容積率は基準となる割合に対応して割り振ります。

たとえば、住宅の敷地面積が165㎡未満の場合、敷地全体に敷地面積の最低限度が適用されます。以下のように、2つの異なる用途地域に敷地がまたがっている場合、容積率の多くを占める「第1種低層住居専用地域」を採用し、容積率60%として計算します。

2つの異なる用途地域に敷地がまたがる場合

ただし、札幌市などでは平成18年3月31日以前から敷地面積が165m2未満であったことを確認できれば、80%で計算できます。

2-2.都市計画で決まる容積率

容積率で建物の大きさが決まるため、地域ごとにその割合を定めています。閑静(かんせい)な住宅街を作ったり、工業地帯を指定したりするためには、容積率が大きく関係してくるからです。

2-2-1.都市計画法とは

「都市計画法(としけいかくほう)」は、都市部に建てる建築などを規制する法律のことを指します。ただし、「建築基準法」と関連性が強いものの、法律としては別体系です。

たとえば、建ぺい率や容積率は都市計画法で決められ、さらに建築基準法によって前面の道路の幅などに応じて制限がかけられます。前項で述べたように、都市計画法で決められた用途地域によって、建てられる建物の大きさが変わってきます。

下のイメージ図のように、都市計画法で決められた、用途と地域で建物の規模が変わってくるため、用途地域の確認は重要です。

用途地域の違いによって容積率は高くなっていく※クリックすると画像を拡大できます。

2-3.前面道路の幅員で決まる容積率

道路の幅員で決まる容積率

前面道路(ぜんめんどうろ=敷地の前の道路)の幅員(ふくいん=道の幅)が12m未満の家の容積率は条件が変わります。

指定された用途地域の容積率の基準で算出した容積率であっても、前面道路の幅員によって「容積率の上限」の条件を満たす必要があります。

前面道路の幅員による容積率の計算式は、以下の通りです。

・前面道路の幅員(m) × 容積率(または、特定行政庁が指定した率)

表:前面道路の幅員に対する容積率(住居系)

地域・区域容積率
第1種低層住居専用地域40%
第2種低層住居専用地域
第1種中高層住居専用地域40%
(特定行政庁が指定する地域では60%)
第2種中高層住居専用地域
第1種住居地域
第2種住居地域
準住居地域
その他60%
(特定行政庁が指定する地域では40%または80%)

つまり、一般的に上図のように、主な用途が住宅地として認められている※住居系地域※では、特定行政庁が指定する地域を除き「道路幅員×40(%)」で計算します。そして、その他の地域では、「道路幅員×60(%)」が適用されます。

※「住居系地域」

  • 第一種低層住居専用地域
  • 第二種低層住居専用地域
  • 第一種中高層住居専用地域
  • 第二種中高層住居専用地域
  • 第一種住居地域
  • 第二種住居地域
  • 準住居地域

以上、7つのエリアが「住居系地域」と呼ばれています。ただし、これ以外の商業、工業系地域でも住宅を建てることは可能です(「工業専用地域」を除く)。

しかし、「防火地域」に指定されている場所では、建物を「耐火建築物」としなければいけません。「防火地域」で木造の家を建てるときには、「準耐火構造」とする必要があります。また、住宅の大きさは「2階建て以下」「延べ面積100㎡以内」にする必要があるため、注意が必要です。

以下に、ケーススタディとして、住居系地域で指定容積率200%、敷地の前面道路の幅員が12m未満の場合を考えてみましょう。このとき、仮に幅員を4mとして計算してみます。

指定容積率200%、道路幅員4mの場合

指定された地域の条件が、「1種住居専用地域で容積率200%」で「前面道路の幅員(幅)4m」の場合、以下のようになります。

  • ①都市計画上の指定容積率=200%
  • ②道路幅員による制限=4(m)×40%=160%

この場合②の「道路幅員による制限」、つまり小さい方の容積率160%が適用されます。要するに、「都市計画法で定める容積率」と「前面道路の幅員による容積率」を比べたときに、小さい方が容積率の上限となるということです。

もし、都市計画の容積率が200%であっても、前面道路の幅員(道の幅)によっては、容積率が低くなることがあるということです。

ただし、前面道路が2つ以上ある場合は幅の広い道路で計算します。また、特定行政庁が定めた指定地域では計算式が違ってきます。

このように、敷地の用途地域や前面道路の幅については、十分にチェックすることが重要です。

2-4.容積率の上限が小さいと2階が小ぶりな家になる

同じ見栄えの家

先ほど述べたように、容積率は建ぺい率の2倍がバランスがよく、2階建ての家が立ち並ぶ建売住宅などの多くはこの比率が多いです。

しかし、広告などでは「建ぺい率:50%、容積率:80%」という敷地も売り出されています。

この場合、建ぺい率に比べて容積率が低いため、1階と2階が同じ面積の「総2階建て(そうにかいだて)」と呼ばれる家が建てにくくなります。

容積率の上限が小さいと2階が小さい家になる

総2階建ての住宅は、広い床面積が確保できる上に、屋根や壁材などの建材も少なくなるため、合理的にコストが抑えられるといったメリットがあります。こうした理由から、近年の住宅は総2階建てが多いです。

しかしながら、この例のように建ぺい率50%で容積率:80%の場合、1階に比べ2階部分が小さい家になる可能性が高いです。

もし、容積率80%の土地でそう2階建ての家を建てたい場合、1階部分の大きさを見直す必要があります。

古い民家などで見かける、2階が小さいタイプの家は昔ながらの伝統的な風情があって良いものです。

ただ裏を返せば、築年数が長く2階が小さい住宅が多く建つエリアは、容積率の上限が低い可能性があります。

以下に、敷地100㎡に対して、容積率100%と容積率80%の場合のイメージを図で示します。

容積率の違いで家の大きさが変わるイメージ

もし、あなたが「総2階建て」の家を建てたいと考えるのであれば、購入するエリアの敷地条件が、「建ぺい率:50%、容積率:100%」を目安にすると良いでしょう。

このとき、2階が小さい古屋(古い住宅)が残っている「古屋付の土地」の場合、容積率が低い用途地域で、古屋を解体しても「総2階建て」の家が建てられない場合も考えられるため、注意が必要です。

実際、「土地付きの築年数の長い古い住宅を購入したが、建ぺい率、容積率がオーバーした『既存不適格(きぞんふてきかく)※』の家だった」という話を聞いたことがあります。

※既存不適格(きそんふてきかく)
建築時には適法に建てられた建築物であって、その後、法令の改正や都市計画変更等によって現行法に対して不適格な部分が生じた建築物。建築基準法は原則として着工時の法律に適合することを要求しているため、着工後に法令の改正など、新たな規制ができた際に生じる。原則、そのまま使用していてもただちに違法というわけではないが、増築や建替え等を行う際には、法令に適合するよう建築しなければならない。当初から法令に違反して建築された違法建築や欠陥住宅とは区別される。

こうした場合、その古い家を解体できたとしても、現在の法定で定められた容積率が上限となり、小さな面積の家しか建てられない可能性があります。このようなリスクを防ぐために、容積率を事前に確認しておくことは非常に大切です。

3.容積率から緩和されるケース

ビルドインガレージのイメージ

建物の構造によっては、容積率として考えられない箇所があります。そこで、この項ではこれについて詳しく解説していきます。

3-1.ビルトインガレージは容積率に算入されない

ビルトインガレージとは、家の内部に駐車スペースを設けたものです。こうしたガレージは特に都市などの比較的、狭い敷地で多く見かけるタイプの車庫であり、「インナーガレージ」とも言います。

実は、このビルトインガレージの面積は、容積率から除外できます。

ビルトインガレージは容積率に含まれない場合のイメージ

容積率を計算する際、ビルトインガレージ(車庫)の面積が、延べ床面積の1/5を上限として、延べ床面積として考えなくて良いです。

たとえば、延べ床面積が200㎡の住宅であれば、その1/5=40㎡となります。この場合、インナーガレージを40㎡に設定して設計すれば、延べ床面積からこの面積は除外して容積率を計算できます。

また、ビルトインガレージだけでなく、同じ敷地内の車庫や、カーポートなどの駐車場でも計算方法は同じです。

敷地が小さく敷地ギリギリまでに建物を建てる場合、ビルトインガレージを駐車スペースとして採用されることは多いです。

ただし、ビルトインガレージは建築面積に算入されます。そのため、建ぺい率では、この規定は適用されないので注意が必要です。

詳しくは、「建ぺい率とは:ポイントや注意点を完全に理解できる3つの項目」にて、建築面積の項を参照してください。

3-2.地下室は容積率に算入されない

床面積の合計の1/3を限度として、地階(地下室)の面積は容積率に算入されません。そのため、たとえ容積率に制限があるとしても、地下室の面積を加算すると、同じ広さならば2階建ての場合、計算上は1.5倍の広さまでの家を建てることができます(1994年の建築基準法の一部改正より実施)。

ただし、以下の条件を満たす必要があります。

  • 地下室(=地階。地盤面下にある居室)にあり、床面から地盤面までの高さがその階の天井 の高さの1/3以上であること。
  • 地下室の天井が地盤面から高さ1m以下の部屋であること。
  • 地階で住宅の用途に供する部分であり、その建築物の床面積の合計の1/3以 下であること。

この条件をクリアすれば、地階を使って広い家を建てることができます。

また、地下室は防音効果も期待できるため、ピアノなどを置いて楽器の練習をしたり、暗く温度も一定しているため、ワインセラーにしたりと、夢のある空間の実現が可能です。

地階が容積率に算入されない場合のイメージ

3-3.2m以下のバルコニーは床面積に入らない

バルコニーの先端から2mまでの部分は、建築面積に入りません。そして、ピロティやポーチ、庇(ひさし)、など、壁で囲まれていない外部空間は床面積には含まれません。

2m以下のバルコニーは床面積に入らない

つまり、「延べ床面積」は基本的に壁で外部と分けられた建物内部の面積です。

ただし、前述のとおり、インナーガレージや地下室といった、外部的なイメージの強い場所であっても容積率を算出する際に緩和措置があります。

3-3-1.吹き抜け空間は床面積に算入されない

最近の住宅では女性を中心に、広々とした「吹抜け空間」が人気です。こうした、開放感のある吹き抜けのあるリビングルームなどの上部には、「床がない」ため、床面積には算入されません。

吹き抜けのイメージ

このように、上部に吹き抜け空間がある場合、その部分は床面積に算入されないことを覚えておきましょう。

上方に向かって開放感を求めるインテリアを望む場合、設計次第で広い空間を得ることができます。

拭き抜けのある開放的なリビングルームでは、オシャレな家具や雑貨などが映えます。そのため、自由に自分好みのインテリアコーディネートをする幅が広がります。

3-4.外部階段は床面積には入らない

外部(屋外)階段は、建築基準法上、「有効な開放性を有しているもの」とされ、床面積に算入されません。

●外部階段平面図

外部階段の平面図

3-5.特定道路による容積率の緩和

「特定道路(とくていどうろ)」とは、幅員(ふくいん:道の幅)が15m以上ある、広い道路のことを指します。広い道路が近くにある敷地の場合、条件を満たせば容積率が緩和されます。

たとえば、あなたの敷地が特定道路から延長70m以内、前面道路の幅員が6m以上、12未満の場合、下の数式を前面道路の幅員に加えることができます。(建築基準法第52条第9項)

  • (前面道路の幅員+前面道路幅員に加える値※) × 60%または40%=容積率

このとき、60%か40%かのどちらかは、用途地域によってその割合が変わってきます。

特定道路による容積率の緩和

前面道路幅員に加える値は以下の数式で求めます。

(12m-前面道路の幅員)×(70m-敷地から特定道路までの距離)÷70
=前面道路幅員に加える値

この数式で求めた割合が、道路幅員による容積率の上限になります。

「特定道路による容積率の緩和」は、敷地の近くに、「15m以上ありそうだな」と感じる広い道路があった場合に検討してください。

ただ、条件が複雑に重なっているため、その道が特定道路に該当するかどうかの判断は難しい場合があります。そのため、できれば建築士などのプロに聞いて、容積率の緩和が適用されるかどうかを相談するようにしましょう。

まとめ

ここまで、「容積率」について詳しく見てきました。敷地に建てられる「建物の影の部分の面積」の平面的な建ぺい率以外にも、たて方向の立体的部分にかかる容積率という規制について、分かってもらえたと思います。

また、主に都市部の、大きな道路に面した時の特殊な条件の場合の規制や緩和も一部紹介しました。

ただし、ここで書いたものは、宅地として売られている場合の一般的な例が中心です。

もし、「ちょっと難しいかな」と感じた人は冒頭に紹介した「積み木」の写真をもう一度、見てください。

このように、子供のいる家庭の方は積み木やブロックなどのおもちゃを使って、「この土地で容積率200%なら、これくかいかな」と、遊び感覚で子どもと一緒にシミュレーションを楽しんでみてください。すると、少しずつ家を立体で考えられるようになります。

容積率とは「土地に対する家のボリューム」であることが理解できれば、このページに書いてある難しい部分も、理解できるようになります。

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